1月20日(金)は一年で一番寒さの厳しいとされる「大寒」で、この日は、本校恒例の百人一首大会の日だった。現在、学校の体育館が照明工事中で使用できないため、今年は特別に春光荘の畳の大広間を会場に、(極寒の体育館ではなく)暖かく雰囲気のある会場での開催となった。さらに今回、スペシャルゲストとして富山県立図書館の中﨑圭子館長さんを「読み手」にお招きした。

 中﨑先生は、全日本かるた協会の「A級公認読手(どくしゅ)」という資格をお持ちだ。読手とは競技かるたの読み手のことで、県内でA級の資格保有者は現在中﨑先生ただお一人とのこと。競技を始める前に、中﨑先生から競技かるたの基本的な知識について解説をしていただき、先生の惚れ惚れするような読みで競技が行われた。

 冬の遊びとしての百人一首は昔から大人や子どもたちにもお馴染みだが、競技かるたが一躍脚光を浴びたのは、主人公・綾瀬千早がかるた女王・クイーンを目指す少女漫画『ちはやふる』(末次由紀)がきっかけではなかったか。2011年にテレビアニメ化され、2016年には広瀬すずを主演に映画化された。競技かるたの面白さ、奥深さ、スポーツ顔負けの激しさが一気に世間に広まったと思われる。映画のほうは「上の句・下の句」そして「結び」と続き、「上の句・下の句」の主題歌がPerfumeが歌う『FLASH』だった。

 そう言えば、劇場版・名探偵コナンでも『から紅の恋歌(ラブレター)』(シリーズ21作目)が2017年公開され、その主題歌『渡月橋~君想ふ~』(倉木麻衣)も一時よく耳にした。百人一首の17番が在原業平朝臣の「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」の歌だ。先日の大会でこの句が読まれた時、やけに生徒らが盛り上がったのは、きっと漫画やアニメ、映画のおかげに違いない。