先週の土曜日(建国記念の日)は、午前・午後・夕方と南砺市内でそれぞれ用事があった。まず、午前中は井波総合文化センターで「南砺市こどもの権利条例制定記念式典」に参加した。南砺市は全国の自治体に先駆けて、国際条約である「子どもの権利条約」の理念実現化のため条例を制定した。子どもの権利とは、子どもが生きる・育つ・守られる・参加する権利をいう。子どもの発達や成長のためには、地域や大人の役割が大切であり、もちろん学校や教員の果たすべき役割も然りである。

 午後は第23回ふくみつ雪あかり祭りという「巨大紙風船上げ」のイベント会場である道の駅福光に向かった。昨年11月道の駅福光から、巨大紙風船の絵(3m×6mの和紙・4面)を描いて欲しいという依頼があり、各学年で1枚ずつ、あと1枚は学芸部で作成して本校としての紙風船が仕上がった。この日は、南砺の大空に初めて本校の巨大紙風船が浮かぶことになっていたのだ。

 イベントは予定通り午後3時からスタートした。当日は本校を含め16基の巨大紙風船が熱気球の如く順次空に舞い上がる予定だったが、開始直後、風の影響(風速3m強)でいきなり中断。いつ再開されるか分からない状況となった。午後7時からお通夜への出席(南砺平高校がまだ分校時代の中谷賢治第12代分校長先生がお亡くなりになった)を予定していた私は、やむなく城端のセレモニー会場へ向かった。

 お通夜の最中、手元のスマホに「今から本校の紙風船が上がります」というLINEが届いたが、紙風船が空に舞い上がる姿をこの目で実際に見ることは叶わなかった。後からユーチューブで視聴したところ、冬の夜空に幻想的に浮かぶ本校の巨大紙風船を確認することができた。私には亡くなられた元分校長先生への送り火のようにも思えた。きっと空のもっと高いところから、紙風船に記された「不滅の母校」の文字に微笑んでおられたのに違いない。