先月、面白いニュースを耳にした。国土地理院が日本全国にある島の数を数え直してみたら、これまで発表されていた6,852島(35年前に海上保安庁が調査した数値)から14,125島に実に2倍以上になったというのだ。これは一体どういうことなのか。35年の間に新たに島が誕生したとか、他国の島をわが国の領土に組み入れたという訳でもなく、調査精度が大幅に向上し、外周100m以上の島も確認できるようになった結果らしい。
そもそも、海洋法に関する国連条約(日本は平成8年に批准)では「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」とされている。この定義では面積の大小には触れておらず、ごく小さな島もしっかり数えることが可能になったため、わが国の島の数が倍増したのである。
ちなみに、今回の発表によるとわが富山県には5つの島があるとのこと。富山県(富山湾)に5つも島があったことに驚いたが、全国的には1位長崎県(1,479島)、2位北海道(1,472島)3位鹿児島県(1,256島)の順で、富山県は38位。39位以下はいずれも0島なので、富山県の5島はある意味全国最少と言える。渡れるものならこの5島に上陸してみたいと思うが、私には何処にあるのかさえ分からない。
私は学生時代を広島市で過ごしたおかげで、フェリーで瀬戸内海の島々をあちこち訪れる機会に恵まれた。中でも印象に残っているのは、現在「しまなみ海道(広島県尾道市~愛媛県今治市)」の途中にある大三島(おおみしま)だ。大三島の大山祇(おおやまずみ)神社に国宝の鎧(よろい)を見に行ったついでに、当時まだ建設中だった大三島橋を自転車でほんの少し走った記憶が残っている。今では瀬戸内の島々を結び3ルートの「本州四国連絡橋」が架かっているが、瀬戸内ののどかな島の風景や人情味あふれる島の人々の暮らしがいつまでも残り続けてほしい。