桜満開のなか4月を迎えた(五箇山はまだこれからだが)。4月1日は土曜日ではあったが、県内多くの高校では年度当初の職員会議が開かれ、校長先生が所信表明を行い、今年度の教職員の業務分担を確認したと思われる。本校でも、新たに3名の教職員を迎え、私からは「生徒や先生方が南砺平高校に来てよかったと思えるような学校を目指していきましょう」と教職員の皆さんに呼びかけた。

 4月1日は、どの学校でも職員会議のあと、職員室の先生方の座席移動、学年部会、教科部会、分掌(教務や生徒指導、特活といった仕事の)部会などの会議が連続して行われ、慌ただしく一日が過ぎてゆく。新しい学年・クラスの担任が決まり、各先生方が出講する授業も決まる。そして、これまた大変な作業である時間割の作成が始まる。まさに、各先生方が向こう1年間にやるべきことがこの日に決まるのだ。

 翌日日曜の午前中、私は荒川祐二さん(37歳・小説家)という方の講演(演題は『一歩を踏み出す勇気!』)を聴きに砺波市文化会館に足を運んだ。荒川さんは、大学在学中の20歳のとき、自分を変えたいという思いで、毎朝6時から日本一汚い場所と言われていた新宿駅東口でたった一人でゴミ拾いを始めた方だ。最初は見向きもされなかったが、彼の行動が周りの人の心を動かし、一緒に拾ってくれる人が一人また一人と増え、この活動はその後全国、世界に広まっていったという。

 会場には砺波・南砺市内の中高生や保護者の姿も見受けられ、荒川さんの身振り手振りを交えた熱意あふれるお話に熱心に耳を傾けていた。荒川さんは、「それまでの夢や希望もなく、何をしたいかもわからない自分をただ変えたいと思い、自分にできることがただゴミを拾うということだった」と語っておられた。最後の「何のためにが見えたとき、人は頑張れる」という言葉が印象に残った。どんな小さなことでもやり続けていけば、できたことが「自信」となることにあらためて気づかされた素晴らしい講演会だった。