今月の月齢カレンダーを見ると、今日10月15日(日)は「新月(月齢0)」。月がちょうど地球と太陽の間に位置し、真っ暗で見えない日である(今晩はあいにくの雨でそもそも月はおろか星一つ見えないのだが)。明日から徐々に月が姿を見せ始め、2日後には「三日月(月齢2)」となる。
ギリシア神話には月にまつわる女神が三神存在しており、古代ギリシア人は三日月をアルテミス(ゼウスの子で太陽神アポロンと双子)と見立てていた。アルテミスはもともと狩猟と純潔の女神で、後に「月の女神」と称されるようになった(アルテミスがいつも携えていた弓が三日月に似ていることから)。他にも、満月をセレネ、欠けていく月をヘカテーに見立てていたようだ。
三日月と関係が深いものといえば、トルコ共和国の国旗、戦国武将・伊達政宗の兜の前立てが思い浮かぶ。トルコ国旗の三日月(と星)は、オスマン帝国の皇帝が戦地を訪問した際、三日月と星が輝いていたことに由来している。また伊達政宗の兜の三日月には、これから満ちていく(今から天下を狙うぞ)という意味が込められていたという。
三日月は英語でCrescent Moonといい、クロワッサン(三日月の形をしたパン)や音楽用語のクレッシェンド(だんだん強く)も語源は同じ。そして深まっていく秋の夜、ふと聴きたくなるのが絢香の『三日月』だ。この詞は絢香が上京のため故郷・大阪を離れる時期に綴られたもので、それまで同じ時間を過ごしてきた大切な人達への想いが込められているという。会いたくてもすぐには会えない「遠距離恋愛」の曲としても切なく胸に響くバラードだ。