10月も終わりに近づき、五箇山は秋本番を迎えた。今年の五箇山の紅葉は心なしかくすんで見えるのは私だけだろうか。特に黄色の鮮やかさが昨年や一昨年に比べ今一つに思えるのだ。暑い夏が6月から9月の終わりまで長く続いたせいではないかと勝手に推察している(間違っていたらごめんなさい)。

 27日(金)、生徒らが待ちに待った文化発表会の日がやってきた。朝は晴れていたが日差しは弱く、体育館はかなり寒い状態。恒例の校内弁論大会で文化発表会の幕が上がった。各学年から代表4名計12名の生徒弁士による熱い弁論が繰り広げられ、先生方や生徒らがその出来具合を採点した。高校生らしい感性豊かな弁論や物事に対する多面的な考察に基づいた弁論にとても感心させられた。

 今年の文化発表会のテーマは「COLOR~個性や自由ではみだしていく~」だった。随所に生徒一人一人の個性が輝き、自由で「はちゃめちゃ」なステージで生徒も先生らも大いに盛り上がった。また、2年生が昨年から約1年かけて制作した映画『紅悔(こうかい)先に。』のお披露目も行われた。この映画は、地元の地域おこし協力隊・林さんの指導を受け、生徒自らがシナリオ、監督、スタッフ、配役、撮影、編集を手がけた文字通り自主制作映画で、先日、映画甲子園(高校生のエイガワールドカップ2023)に出品した。

 映画の内容は、主演の平高校女子生徒が20年後の五箇山にタイムスリップ、地域の厳しい現実を目の当たりにし、あらためて地域の魅力に気づき自らの進路を見つめ直すというもの。五箇山の美しい風景を背景としながらも、結構シビアなテーマだ。完成まで苦労の連続だったと思われるが、映画制作を通して、生徒同士の絆やクラスの団結も深まったに違いない。私としては、生徒らの未来が、そしてこの地域の未来が今よりも一段と輝いていることを心から願っている。