先週末の16日(木)に広島県立加計高校芸北分校、17日(金)には島根県立飯南高校に、県や南砺市、地元五箇山の関係者の方々とともにお邪魔し、生徒全国募集の取組みについてお話をうかがってきた。両校に共通する点は、県境近くの山あいの町にあり、地域の少子化が進行していること。またスキー部や郷土芸能としての神楽(かぐら)部などがあり、特に芸北分校は生徒数も本校とほぼ変わらない学校だ。
現在全国各地で、少子化を背景とした生徒数減少に伴う学校の統廃合が進行している。高校でもこれまで以上に学校の魅力化・特色化が求められ、その一つの方策として、人口減少地域や離島などの高校では全国から生徒を募集する学校が増えている。今回の学校訪問は、実際の取組みの様子、行政や地域の方々の学校への支援、悩みや課題などをいろいろと教えていただき、本校での実現可能性を探るというものであった。
2校の校長先生はじめ各先生方、町の担当部署の方々、コーディネーターの方などからお話をうかがい、あらためて考えさせられたことがある。それは「誰のため」の全国募集なのかということである。学校の魅力化、学校の存続、地域の活性化、移住・定住の促進、様々な背景があることに異存はない。ただ、忘れてはならないのは、地元であれ県外であれそこに学ぶ生徒が生き生きと学校生活を送ることができ、先生方がやりがいをもって生徒と向き合える学校でなければならないということだ。
そして、県外生徒の受け入れ体制(生徒寮や下宿、ホストファミリーなど)、持続的な予算確保や人的なサポート、どんな生徒に来てほしいのか、どうやって生徒を集めるのか、何よりも地域の方々の理解や協力が無くては、とても全国から生徒を集めるのは難しいのではないか。学校としても相応の覚悟をもって臨む必要がある。まだまだ議論すべきことがたくさんあると思われる。本校の「今」と「その時(未来)」をぜひ皆さんにも考えていただきたい。