22日(金曜日)は2学期の終業式だった。他校でもほぼ同じだと思われるが、式の前に賞状伝達式、校長の式辞に続き校歌斉唱、そして式の後には教務や生徒指導部長の先生から冬休みの過ごし方についてお話がある。本校の体育館は他校にくらべかなり狭いのだが、この時期、ジェットヒーターをつけても凍えるような寒さ。体育館に集合した生徒らの吐く息が真っ白だった。
今回の賞状伝達式で、先日「高校生エイガワールドカップ2023」で頂戴した5枚の賞状を、2年生の代表5名にそれぞれ手渡し全校生徒の前で披露した。「優秀作品賞」は全作品の中で最優秀に次ぐ総合2位に相当する成績で、本当に生徒らは頑張ってくれたと思う。他の4つの賞のなかで私が特に注目したのは「奥田誠治賞」という賞だった。奥田誠治さんは日本を代表する映画プロデューサーの方で、私は式辞のなかで生徒らに奥田さんを紹介することにした。
ちょうど今、富山県美術館で『金曜ロードショーとジブリ展』という企画展が開催されているが、ジブリ作品が日本テレビの「金曜ロードショー」でテレビ放映されるきっかけをつくったのが奥田誠治さんだった(『風の谷のナウシカ』がその最初とされる)。奥田さんは宮崎駿監督の才能や作品がもつ美しさ、メッセージ性に着目し、広く日本全国のお茶の間にジブリ作品を届ける役割を果たした。このような方から本校生徒が創った映画が高い評価を受けたのだ。
寒い体育館で式辞が少し長くなり生徒らには申し訳なかったが、生徒らの「創造」(本校の校訓の一つでもある)をきちんと評価していただいたことに感謝したい。今回の受賞は、本校への最高のクリスマスプレゼントとなった。私としても、本校生徒のもつ若い感性やひたむきさにあらためて気づかされた。今年もあと一週間。来年はどんな年になるのだろうか。