3月1日(金)、本校の第71回卒業証書授与式が挙行され、23名の卒業生が本校を巣立っていった。思えば、今年の卒業生が本校に入学した3年前、私もこの南砺平高校に校長として赴任した。彼ら彼女らの高校生活は私の校長としての3年間とちょうど重なり、とても感慨深いものがある。3年生の皆さんは、この3年間で目を見張るような成長を遂げてくれた(私自身はお世辞にも成長したとは言い難い)。

 3年生が入学した頃は、まだ新型コロナウイルスが猛威をふるっており、勉強や部活動、学校行事においてさまざまな制約があり、何かと息苦しい高校生活だったと思われる。生徒寮の食堂のテーブル上にはパーテションが設けられ、一人一人が壁に向かいながら静かに食事を摂っていた。楽しみにしていた台湾への海外研修も中止となった(代わりに長崎方面への修学旅行が実現したのは幸いだった)。

 このような困難な状況にあっても、3年生はよくがんばってくれた。なかでも2年間にわたり地域の空き家を改修し「ブック∞カフェすけろく」へと再生させた取り組みは、本校がめざす地域への貢献を体現したものだった。勉強は少々苦手だったが、知恵を出し合い、互いに協力し体をかけて物事に取り組む姿勢はどの学年にも負けないものがあった。私も改修作業(壁塗り)を一緒に手伝ったのがつい先日のことのように思い出される。

 部活動においても、郷土芸能部の全国高総文祭での3年連続入賞、スキー部のインターハイや国体での入賞など、素晴らしい成果をあげてくれた。一方で、辛い思いや悔しい思いをした部員たちも多かったのではないか。その全てが皆さんの成長に繋がっていったと私は思っている。式後、「門送り」の際に1・2年生と卒業生との間で「エール交換」が行われた。新たな道へと進んでいく卒業生の皆さんの将来に幸多いことを祈っている。