3年生が卒業し学校が何とも寂しく感じられた先週、2日間にわたって県立高校入試が実施された。毎年のこととはいえ、我々教員にとって1年の中で極端に緊張を強いられる2日間である。特に2日目の英語リスニングの試験に至っては、放送が正常に流れるか、途中アクシデントが起こらないか、受検生以上に我々の緊張感は高まる。絶対にミスの許されない入試業務のなかで、最も厄介な場面でもある。
今年は正月の能登半島地震のこともあり、入試の最中にもし地震が発生したらという心配もあった。幸いにも英語リスニングは何とか無事終了し、2日間とも大きなトラブルも無く入試は終わった。受検生がホッとした表情で校舎から出て行く姿を見て、こちらもホッと胸をなで下ろした次第である。だが、これで安心するのはまだ早い。ミスの無い採点業務、合格者の選抜と発表というまだまだ気の抜けない作業が待っている。
とりあえず2日目の試験が終わり家に帰ると、「Drスランプ」や「ドラゴンボール」で知られる漫画家・鳥山明さんの訃報を耳にした。その翌日、今度は「ちびまる子ちゃん」のまる子の声優・TARAKO(たらこ)さんが亡くなったというニュースが飛び込んできた。TARAKOさんは1990(平成2)年のテレビ放送開始以来、34年間にわたりまる子の声を演じてきた方だ。
テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」は私にとって懐かしい思い出がある。初任の高校の文化祭(確か1990年秋)で、受け持ったクラスが抽選で「門(アーチ)」をつくることになった。本当は模擬店やお化け屋敷などをやりたかったのだが、生徒らは皆で協力して「ちびまる子ちゃん」をモチーフにした立派なアーチを完成させた。文化祭当日、外からのお客さんにも大好評だったのを憶えている。あの独特のまる子の声がもう聞けなくなるかと思うと何だかとても淋しい。