2学期末考査が始まった。五箇山でも標高の高いところでは薄らと雪が降り積もり、巷ではサザンカの花が見られる季節となった。サザンカは漢字では「山茶花」と書き、晩秋から初冬にかけ赤・白・ピンクなどの花をつけるツバキ科の常緑広葉樹だ。原産地は日本だが、花名は中国語でツバキ類をさす「山茶(サンサ)」に由来し、山茶花(サンサカ)が訛ってサザンカとなったらしい。

 最近、気になってサザンカの花言葉を調べてみた。サザンカ全般としての花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」だ(花の色によってもそれぞれ花言葉が違うとのこと)。寒さが日増しに厳しくなる初冬にかけ花を咲かせることに由来していると思われる。

 サザンカと聞くと、昭和世代の私には「たき火」「さざんかの宿」などの歌がすぐ思い浮かぶが、今の高校生にとっては、SEKAI NO OWARIの「サザンカ」か。2018年平昌(ピョンチャン)オリンピック・パラリンピックのNHKテーマソングだった。当時、制作発表で「夢を追いかける人、その側で見守り続ける人たちの物語を歌にできたらとの思いで作った」というコメントがあった。

 この歌は、人は夢を叶えたときに輝くのではなく、夢を追いかけて諦めず挑戦しているときに一番輝いているということを教えてくれる。スポーツに限らず、勉強でも仕事でも、私たちはつい「結果」を求めてしまいがちだ。しかし、人知れず努力を重ね、思い通りにならずもがき苦しんでいる「過程」こそが、本当は最も大切で美しいものなのだということを心に留めておきたい。