2学期終業式も終わり、学校は冬休みに入った。今年(2021年)も残りあとわずか。年の瀬になると、よく新聞や報道番組などで、今年亡くなった各界の著名人が紹介される。その中で、私にとって印象深い「漫画家」の方々を皆さんに紹介したい。

○富永一朗(とみながいちろう) :5月5日没 96歳

・代表作のイメージはあまりないが、TV番組「お笑いマンガ道場」(昭和51年から18年間放送)のレギュラー出演者としてお茶の間の人気を博した。ユーモアのセンスがピカイチで、一時期、この番組をよく見ていた。

○サトウサンペイ :7月31日没 91歳

・代表作である4コマ漫画『フジ三太郎』は、1965年4月から朝日新聞夕刊で連載が始まり(79年からは朝刊にて)、91年9月まで26年間にわたり連載が続いた。高校時代、先生から読んだほうがよいと言われたコラム『天声人語』より、この漫画のほうがよほど面白かった。

○さいとう・たかを :9月24日没 84歳

・代表作『ゴルゴ13』は、世界を股にかける国籍不明の超A級スナイパー「デユーク東郷」の活躍を描いた作品。その時々の国際情勢を背景としたストーリーも多く、結構勉強になった。今年6月、単行本201巻目の発売で、『こち亀』を抜きギネス世界記録に認定された。

○白土三平(しらどさんぺい) :10月8日没 89歳

・代表作は『サスケ』『カムイ伝』など。江戸時代、過酷な身分のもとにおかれた人々の生き様をリアルに描いた作品はとても衝撃的だった。授業や教科書ではなく、漫画で近世の身分制社会というものを考えさせられた。

○古谷三敏(ふるやみつとし) :12月8日没 85歳

・代表作は『ダメおやじ』というギャグ漫画だが、私としては『BARレモン・ハート』という作品の印象が強い。お酒の楽しさ、奥深さ、お酒との付き合い方など、「大人のたしなみ」をいろいろと教えてもらった。(高校生の皆さんは、18歳から「大人」でも、お酒は20歳からですよ)

 こうしてみると、漫画と言えどバカにできない。学校では教えてくれないことも、漫画から学ぶこともできるのだ。惜しくも亡くなられた5人の漫画家のご冥福を心からお祈りし、2021年を締めくくりたい。