「白い恋人」と「面白い恋人」の違いがわかりますか?前者は石屋製菓(ISHIYA)の代表的なお菓子(定番の北海道土産)で、後者は吉本興業がシャレで(?)大阪土産として販売しているお菓子だ。10年ほど前、石屋製菓が吉本興業を商標権の侵害だとして訴えたことでも話題となったが、その後両者は和解。「面白い恋人」は販売差し止めを免れ、今でも関西限定で販売されている。

 では、「白い恋人達」と「白い恋人たち」の違いはわかるだろうか?前者は言わずと知れた桑田佳祐の冬の名曲だが、この曲は桑田佳祐がある映画を観た帰りに生まれたという話がある。ある映画こそが「白い恋人たち」(原題:13 Jours en France、監督:クロード・ルルーシュ)というフランスのグルノーブルで行われた第10回冬季オリンピック(1968年)の記録映画だ。

 私がこの映画の存在を知ったのは中学生の時で、数多くの映画音楽を手がけた作曲家フランシス・レイの同名の楽曲「白い恋人たち」が、この映画のテーマ曲として使われていたことからだ。この映画は、ナレーションもテロップも一切無く、ただ映像でグルノーブル・オリンピックの始まりから終わりまでの13日間を記録したドキュメンタリーだ。フランシス・レイの美しい音楽が、淡々と映し出されたそれぞれのシーンに何とも言えない彩りを添えていた。

 今回の北京冬季オリンピックは、本校出身の山下陽暉選手が初めて出場することとなり、特別な思いでテレビ画面を見つめることとなった。クロスカントリースキーの世界の壁はまだまだ高いという現実を見せつけられたが、山下選手も廣瀬選手も、出場した各種目で、持てる力を全て出し切り堂々と戦い抜いてくれた。この経験は、必ず次に繋がるものと期待し、ひとまずは戦い終えた二人をねぎらいたいと思う。