今年の冬は、例年以上に雪の多い冬だった。昨年1月も短期間で雪が降り積もり、県内各地で交通マヒが起こり大変だったが、この冬は、12月から2月にかけコンスタントに雪が降った。校舎横の積雪計の目盛りが2m50㎝にまで達したときもあったが、上には上があり、新潟県津南町では、この冬4mを超える積雪を記録したそうだ。

 私がちょうど高校2年の冬、富山では「56豪雪」と呼ばれた大雪が降った(当時、「38豪雪」に次ぐ大雪と呼ばれた)。朝、列車は止まり、バスに乗ったが学校に着いたのはお昼少し前だった。その日は、午後から授業が打ち切りとなり、帰りは5時間かけて歩いて家まで帰った。今なら、多分学校は休校となるはずだが、当時の高校は台風が来ようが大雪だろうが、滅多なことでは休校になることはなかった。

 昔に比べ、近年、富山ではあまり雪が降らなくなったと思っていたのだが、さすがに今シーズンは違ったようだ。3月1日の卒業式の式辞も、出だしの言いまわしをどうしようか直前まで迷ったあげく、間もなく春が訪れるという文言に落ち着いた。

 しかし、3学期も終業式を迎え、五箇山でもようやく春の兆しが感じられるようになってきた。3月中旬まではまだ「三寒四温」であったが、最近は暖かい日もずいぶん多くなった。もう「春よ、来い」と願うまでも無く、春はすぐそこまで来ている。五箇山の春の訪れは、他の地域より少々遅いかも知れないが、その分、春が来たときの喜びも大きいに違いない。