春は出会いと別れの季節である。特に3月は卒業、異動・転勤といった別れの月だ。本校でも、3年生を送り出し淋しい気持ちでいたところ、今度は人事異動などで、3名の先生方とお別れしなければならなくなった。3名とも本校にとってはかけがえのない存在で、これまで生徒や学校のために一生懸命力を尽くしていただいたことに感謝したい。
私自身、今まで10回の異動を経験してきた。中でも、初任校からの初めての異動はいきなり学校ではないところ(以前にも書いた「国民文化祭富山県実行委員会事務局」)への異動であったため、不安で仕方が無かった。また当時、1、2年生と担任を持ち上がり、あと1年彼らを立派に卒業させるぞと意気込んでいた矢先の異動だったため、どうして自分がという憤りやしばらく授業することがなくなるという淋しさでいっぱいだった。
3年間の務めを何とか無事に終え、再び学校現場に戻ることとなり、涙が出るほど嬉しかった。赴任した高校は、新たな学科導入でかなり混乱気味であったが、その分、何でも自分の思い通りにやることができた。担任として好きなようにホームルームを計画し実施したり、そこそこやんちゃな生徒もいて、幾度となく家庭訪問に出かけたりと、「先生やってる」という実感がもてる2校目であった。
その後も、私は学校とそれ以外の職場を何度も行き来してきた。異動の度に、こんな私で務まるのかという不安に襲われたが、そんな私の支えになったのは、今まで一緒に働いてきた同僚や先輩の先生方、新たな学校や職場で苦労を共にすることとなった職員の方々だ。学校は違っても、機関で働いていても、教育という同じ「道」を歩いているには違いない。本校を離れることとなった3名の先生方に、「道」(EXILE)を贈るとともに、今後のご活躍を心からお祈りします。