令和4年度がスタートした。生徒はまだ春休み中だが、学校は新たに本校に異動・赴任された先生方を迎え新年度の準備が始まった。さて、この4月からこれまでと大きく変わったことがある。皆さんもご存知のとおり、改正民法が4月1日より施行され、わが国では成人年齢が従来の20歳から18歳に引き下げとなった。新3年生は、18歳の誕生日を迎えた人から、順次、法律上の「大人」となるのである。
同じ3年生の教室の中に、「大人」と「こども」が混在する(?)という不思議な状況が生じることになる。はたして、生徒の皆さん自身に「大人としての自覚」がある人や、「大人としての責任」を果たせる人がどのくらいいるのだろうか。そもそも生徒の中にも、「自分はもう大人だ」と考えている人と、「自分はまだこどもだ」と考えている人がいるのではないか。
私自身は、18歳になろうがなるまいが、「高校生はもう大人だ」と考えている。そして、生徒らにも「自分は大人だ」と思ってほしいと考えている。大人である以上、自分自身の意見を持ち、自ら判断し、常に責任ある行動がとれる人間であってほしいと思う。高校生として、生徒の皆さんも、周囲の大人(特に親や先生たち)からいつまでもこども扱いされたくはないだろう。
大人とは、実に厄介な生き物でもある。あんな大人にはなりたくないと言われるような大人も世の中にはたくさんいる(私もその一人かもしれない)。一体「大人」とは何なのか、「大人になる」とはどういうことなのか、大人もこどもも、今回の成人年齢引き下げを機に、一度しっかり考えてみる必要があるのではないか。そして、生徒の皆さんには、卒業式の日、どの先生からも「皆、大人になったなあ」と言われるような成長を遂げてほしいと願っている。