ロシアのウクライナへの侵攻から2ヶ月以上がたった。そもそも、ロシアのプーチン大統領はなぜウクライナへ軍事攻撃を始めたのか。一言でいえば、ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)への加盟を阻止するということらしい。しかし、いかなる理由があろうとも、軍事力を背景に他国へ攻撃を仕掛けるロシアの姿勢は、到底認められるものではない。
何の罪も無い多くのウクライナ国民が戦渦に巻き込まれている様子が連日報道され、難民として国外に逃れる人々も相当な数にのぼっている。さらに、ここにきて日本とロシアとの関係も雲行きが怪しくなってきた。日ロ間には領土問題(いわゆる「北方領土」の帰属をめぐる問題)が存在し、両国の間に平和条約が結ばれない限り、北方領土は日本へ帰ってくることはないとされている。このままでは、返還はますます遠のくことになる。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、SMAPの「Triangle」(2005年)という曲が再び注目を浴びているという。この曲は、2001年のアメリカ同時多発テロ事件のあと、アフガニスタンの状況をみた市川喜康さんが作詞作曲し、SMAPに提供。命や自由の尊さを訴え、平和を祈る反戦のメッセージが込められた楽曲だ。広島市の原爆ドームから1㎞程にある超覚寺というお寺の門前の掲示板に、この歌詞の一節が掲げられたというニュースも耳にした。
トライアングルとは三角形のことだが、この曲においては、「銃を構える人」と「向けられる人」、そして「それを見ている自分」の三者による三角関係をあらわしている。戦争においては、どちらが正義かはよくわからない。争っている両者がいて、それを見ている自分がいる。その両者に対して自分は傍観者でいいのだろうか。そんなメッセージがこの曲から伝わってくる。平和の大切さは誰もが認めるものであり、人の命が平等であることを今一度かみしめたい。