先月、私の愛車トヨタ・ウイッシュの距離メーターがついに20万㎞を突破した。南砺平高校への赴任以来、毎日往復約90㎞の通勤を積み重ねてきた結果、1年半に満たないうちに地球を1周(約4万㎞)しそうな勢いである。冬場は4WDでなければ五箇山への通勤は無理と周囲から言われていたが、気合いで(?)この冬を何とか乗り切った。ちなみにウイッシュは11年前に新車で購入したFF車だ。

 私が初めて自分の車を手に入れたのは大学4年生の時だった。先輩が廃車にしようとしていた車検切れの三菱ミニカ(車名は確かミニカ5)を3万円で譲ってもらい、晴れてマイカー所有者となった(拾ってきたベンツのエンブレムを車の正面に取り付け、「メルセデスミニカ」と勝手に呼んでいた)。エアコンもパワーウィンドウも無かったが、かろうじてカセットデッキがついていた。おかげで、CDを借りてきてはカセットテープに録音しオンボロ車でよく音楽を聴いていた。

 当時、お気に入りが『Shylights』や『J.I.』、『REALISTIC』といった稲垣潤一のアルバムだった。1982年「雨のリグレット」でデビューした稲垣潤一は「ドラマティック・レイン」で一世を風靡し、「エスケープ」「夏のクラクション」「ロング・バージョン」「バチェラー・ガール」「1ダースの言い訳」と続けざまにヒットを飛ばした。そして、これらのどの曲も夜のドライブにベストマッチしたのだ。

 それにしても、先日の激しい雨には参った。国道304号線と156号線が同時に通行止めとなってしまった。かろうじて高速道路は無事だったため、通学生徒も先生方も何とか自宅に帰り着くことができた。「ドラマティック」な雨などとのんきなことを言っている場合ではなく、普段から最悪の事態も想定しておく必要があると改めて思い知らされた豪雨であった。