今年の梅雨はいつ始まりいつ終わったのかよくわからないほど短かった。梅雨明け後は連日猛暑が続いているが、雨の日も多く、夏本番と呼ぶにはまだ早いようにも思われる。夏と言えば、私の場合は高校野球だ。甲子園出場をかけた県予選も始まった。私自身、野球は素人だが子どもの頃から水島新司の『ドカベン』が大好きで、高校教員になった時、いつか自分が勤める学校の野球部が甲子園に出場し、生徒らと一緒にアルプススタンドで応援するのが夢だった。
しかし現実は厳しく、その夢はなかなか叶えられること無く25年の歳月が流れた。半ば諦めていた「私を甲子園に連れてって」という願いは、2013年夏、自分の勤務校ではなく、息子が所属していたチームの県大会優勝によって叶えられた。当時、息子はブルペンキャッチャーとしてベンチ入りさせてもらっており、親としては、何が何でも応援に行かなければと、学校の仕事や研修会をことごとくキャンセルし周囲に大変迷惑をかけた。
開会式の日、球場で当時話題だった済美の安楽、大阪桐蔭の森(友哉)選手らを目の当たりにした。チームは初戦の相手・秋田商に勝利すると、次の相手・木更津総合にも勝って甲子園初出場ながらベスト8に勝ち上がった。準々決勝の相手は延岡学園で、接戦ではあったが残念ながらサヨナラ負けを喫し熱い夏が終わった。最後の試合、代打で出場した息子の豪快な「空振り三振」も一生の思い出となった。
毎年、「熱闘甲子園」という番組(テレビ朝日)が夏の甲子園大会を盛り上げているが、2013年のテーマ曲がコブクロの『ダイヤモンド』だった。今でもこの曲を聴くと、甲子園球場の芝生の青さや当時の輝いていた選手らを思い出す。栄冠を手にできるのは全国でたったの1校。南砺平高校に野球部はないが、毎年郷土芸能部が「日本一」という栄冠を目差して頑張っている。舞台は違っても、部員たちにはこの熱い夏を全力で駆け抜けてもらいたい。